言葉を発しない人(発したくない人)はいないはずです。言葉は人間にだけ与えられた高度な行動です。それゆえに、言葉を扱うのはとても難しく、時に自分の人生を大きく好転させたり、時に不幸にさせたり、大きな影響力を持っています。
幸せな場を作る
私がコンサルの仕事を始めてから、発言にはとても気を遣うようになりました。仕事上ではもちろんですが、私生活でも気を遣うようになりました。
一言でいうと
ポジティブな言葉を使う
昨日の娘への何気ない発言です。
私「ごめん!そこの戸を閉めてくれる?」
一見、普通の会話ですが、、、「ごめん、○○○」という言い回しは、“私に非がある”、“戸を閉める事は嫌な事”という印象を与えてしまいます。お願いしている人は、申し訳ないという気持ちを伝えているのかもしれませんが、場の空気は決して明るくはなりません。
娘「え、面倒くさい」
という返答になっていします。必然ですよね。これを、例えばこんな言い方だったらどうでしょうか?
私「そこの戸を閉めてくれると嬉しいな!」
これだと、“戸を閉める事=相手が幸せになる”という印象になります。人を幸せにしたくない人はいません。(そんな人がいたとしたら、自己中心的な人や犯罪者くらいでは無いでしょうか?)ましてや、それが家族や大切な人なら尚更です。ささいな言い回しですが、発言する前に一呼吸おいてポジティブな発言に転換する作業をすると、きっとあなたの周りが幸せな場に変わります。
その他にも...
「今日は寒くて辛いですね」⇒「今日は冬らしい気候ですね」
「疲れた・・・」⇒「よく働いた!」
「あのお客さんは面倒臭い」⇒「あのお客さんはレベルが高い」
「業績が悪い」⇒「今は業績の谷!」
などなど、ちょっとしたことですが、受け取った側の反応は全く変わるはずです。
自分を作る
発言は、相手を動かしたり、場を作るだけの道具ではありません。何を発言するかは、自分自身を大きく変えます。むしろ、自分の発言は、相手への影響度より、自分自身への影響度の方が大きいのです。
なぜか?
それを表したのが次の図です。
反射的に出る発言もありますが、基本的な発言のプロセスは次のようになります。
【発言のプロセス】
- 頭で考える(思考)
- 発言する(行動)
- 自分の言葉を聞く(記憶)
それに対して、聞き手のプロセスは次のようになります。
【聞き手のプロセス】
- 相手の言葉を聞く(記憶)
聞いた後に何かアクションをする際には、頭で考えるのでしょうが、「発言」だけにフォーカスするとこのようになります。
つまり、発言する際には、思考・行動・記憶が伴います。つまり、聞き手は記憶しかしないのに対して、話し手は多くのプロセスが生まれることになり、単純に考えれば、聞き手の3倍の影響度があると言えます。
常にポジティブな場づくりを
仕事でもプライベートでも、ポジティブな場には、ポジティブな人が集まり、ポジティブな行動が生まれます。経営者にとって、理想とする場では無いでしょうか?
従業員「やってもムダ、何も変わらない」
「景気が悪い、市場が縮小している」
「経営層が悪い」
「コストがかかる、利益が出ない」
こんな思考の社員ばかりだとゾッとしませんか?でも他人事ではありません。顕在化していなかったり、経営者の耳に届いていないだけで、レアなケースではありません。
従業員「どうやったらできる?やらなきゃ変わらない」
「伸びている業界はある、○○の市場は元気がある」
「経営層はどんなことを考えているのか?」
「コスト以上の収益があれば良い、利益を出すには何をすればよいのか」
従業員に求めるばかりではなく、まずは経営者自身がポジティブな発言を心がけたいですね!
継続すれば、きっとポジティブな場が少しずつ出来上がるはずです。
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