事業継続力強化計画
私の記憶が正しければ、先月(2019/8)から【事業継続力強化計画】という制度が始まりました。その名の通り「自社の事業を継続させるための力を強化する計画」です。具体的に言うと、主に災害が起きた場合に、事業への被害を最小限にし最短で事業を再開できるようにあらかじめ計画を作り、対策を講じることを目的にしています。近年は、豪雨による洪水被害や暴風による建築物の損害が頻発しています。以前から、BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)の策定が主に自動車業界などの基幹産業のサプライチェーンにおいて重視されていました。特に東日本大震災を契機に、その動きが加速しました。当時、私が勤務してた会社も自動車向け部品を作っていたことから、BCPの策定を得意先から求められました。
事業継続力強化計画については、下記リンクをクリックして手引きをご覧ください。
この類の計画を作成し認定を受けると、何かしらのご褒美を貰えることが多いです。よほど暇な企業ならまだしも、必死に事業を行っている企業は、今すぐ必要かどうかわからない計画づくりに時間を費やしません。例えば、導入設備の即時償却、税制控除、補助金の加点、低利子融資などです。
この事業継続力強化計画においては、正直なところ補助金の加点くらいしかご褒美が無く、それほど普及しないと考えます。ただ、個人的な考えとしては、天災がますます増えるこの地球環境においては、この計画はとても有意義だと思います。実際に策定・認定に至らなくても、災害の発生に向けて何をしておくべきなのか、そのポイントが分かります。
情報管理
事業継続力強化計画では、災害時の対応策を「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つに分類して考えさせています。
例えば、、、
- ヒト・・・人命を守る行動。生存確認。
- モノ・・・設備の転倒/浸水対策。発電機や代替設備の確保。
- カネ・・・保険の活用。
- 情報・・・電子化。バックアップ。
こんな感じです。
この中でも私は、情報に対する対策は、災害が起きた場合だけでなく常時必要だな、と感じました。
クラウド活用
クラウドというと、とても難しいイメージであったり馴染みが無い方も多いと思います。でも、案外殆どの方が使っています。例えば、Google Map(グーグルマップ)がその最たるもので、スマホやPCには地図のデータは一切入っていませんが、それぞれの端末で地図を見たり、場合によっては道案内までしてくれます。じゃあそのデータはどこにあるのか?というと、アメリカなのか中国なのかはたまた名前も知らない国なのか、私たちが意識をしない場所にあって、そこからデータが送られます。しかも、クラウド上にあるコンピューターが計算までして道案内してくれます。つまり、データは端末には保存されておらず、インターネットを介してデータを取得&送信してサービスを受ける仕組みがクラウドです。仮に、自分のスマホが豪雨で水没したって、Google Mapの地図データがなくなる訳じゃないですよねw
企業活動では様々なデータが発生します。
- 売上・仕入などの取引データ
- 生産活動にかかる図面・帳票データ
- エクセル・ワード・メールなどの業務データ
- 労務・給与に係る総務データ
万が一、売上データが失われたらどうしますか?お客さんに請求できませんよね?とっても困ります。ノウハウが詰まった図面データがなくなったら生産活動ができなくなります。
そうならない為には、クラウドサーバーの活用がとても簡単かつ有効だと思います。ビックリするほど簡単ですし、クラウドサーバーを使っている間隔すら持たないかもしれません。
One Drive(ワンドライブ)
私はクラウドサーバーを使う場合、Microsoftが提供しているOne Driveをおすすめしています。その理由は、とにかくWindowsとの相性が良いからです。
※私はMicrosoftの回し者ではありません。広告収入ももらえません!
私の場合、年額12,744円のプランに入っているので、1TB(=1000GB)のストレージが使えます。写真や動画、音楽も保存していますが、50GBほどしか使っていませんので、十分すぎます。ちなみに、このプランだとoffice(エクセル、ワード、パワポなど)の最新版が常に使えます。officeのバージョンが上がっても怖いものなしです!
月224円で100Gのプランも用意されています。ちなみに無料プランでも5GB使えます。
値段はさておき、使い勝手としては、普段使っているファイル「エクスプローラー」と全く一緒です。
↓こんな感じの見た目です。

一緒ですよね?
操作としては、いつも通り。パソコン上のフォルダにファイルを保存する感覚でOKです。ただ、そのフォルダを「OneDrive」というフォルダを選択するだけです。そうすれば、勝手にクラウド上にも保存されるので、万が一パソコンが壊れてもデータはクラウド上に残っています。
私の場合は、リスク回避の目的で使っているわけではありません。私は普段、自宅のデスクトップPC、外出用のノートPC、スマホでデータを扱いますが、それぞれのデバイス間でデータを移動するのが面倒ですし、それぞれでデータを変更したときにどのファイルが最新版か分からなくなる恐れがあります。でも、OneDriveに保存しておけば、全て解決します。ノートPCでデータを変更しても、デスクトップPCを起動すれば勝手にデータが変わっています。つまり、データはパソコン上にはなく(実際のところデータはあるのですが…)、クラウド上にあるデータを見ている事になります。
すぐにできる事から始める
リスク回避は様々な面で考えられます。ヒト・モノ・カネ・情報。
土嚢を用意しておく、在庫は直置きしない、緊急連絡網を用意しておく、小型の発電機を買っておく、、、ちょっとしたことで災害リスクを軽減できます。
「過去」にとらわれた経営は時代に取り残されてしまいます。昨今の経営においては「今」ばかり考えて、仕事に追われたり、資金繰りに駆け回ったりしていてもだめな時代になっています。「未来」を先読みして、先手先手を打っていく。それが企業の持続力を高める唯一の方法です。「今」はどんどん「過去」になっていきますしね。
事業継続力強化計画、とても良いキッカケだと思います。ただ…ご褒美が無さ過ぎる!
コメントをお書きください