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最も難しい改善テーマ

 経営コンサルタントを生業としている人の中には、2種類の方がいらっしゃいます。

  1. 元々、企業支援に関わる仕事をしていた方
  2. 一般企業から独立した方

 ①の方は、商工会議所・商工会、金融機関、コンサル会社出身の方です。これは勝手な考えですが、①の方は企業の課題に対して、政策・補助金・商品開発・販路開拓など、全般的な支援をする方が多いです。②の方は、前職の経験を生かして専門性をもった支援をする方が多いです。例えば、ITや人事、製造系など。私はメーカー出身という事もあり、製造業に対する支援を得意としています。

 とは言え、コンサルとしては新人でした。開業前からいろんな書籍を読み、研究し、様々な案件を経験する事でコンサルとしてのスキルを磨いてきました。最近は自分でもその成長を感じられています。

永遠のテーマ

 コンサルとしてのスキルは様々ですが、例えば次のようなスキルがあげられます。

  1. 経営者から情報を吸い出すヒアリング力
  2. 数値分析能力
  3. 課題抽出能力
  4. 改善提案能力
  5. プレゼン力
  6. 指導力

 これらについて、日々レベルアップしている自負はあります。私は支援機関(県機関、商工会、銀行など)と一緒に仕事をする機会が多いのですが、支援機関の担当者さんから、私への信頼を実感できる言葉も頂けています。

 しかしながら、よく壁にぶつかる事があります。それは「経営者のモチベーションアップ」です。例えば、銀行が絡む仕事の殆どは、金融支援を必要とする企業さんへの改善指導、改善計画策定が殆どです。新規事業など前向きな金融支援なら良いのですが、目先の資金繰り対応やリスケなど、後ろ向きな金融支援であることが殆どです。そのようなお会社さんの場合、経営者さんは日々の仕事に疲弊していて、口から出る発言は常にネガティブである事が多いのです。その中でどんな良い改善提案をしても、決して実行には移してくれません。それどころか、問題点の指摘や改善策への責務に精神的負担を感じてしまう場合もあります。

将来像を共有

 初面談の時から「何とかしたい!」という経営者さんであれば、「問題提起⇒改善提案」と言うプロセスで問題ありません。しかしながら「銀行が言うから仕方なく・・・」という経営者さんの場合は一筋縄ではいきません。この場合、「将来像の共有」が大事ではないかと考えています。(正確には、この記事を書きながら痛感してます)改善提案の前に、まず経営者さんがどのような会社にしたいのか?その将来像を明らかにして、それをコンサル側と共有する事からスタートしないといけない考えます。それも無しに一方的な改善提案をしたところで、その必要性すら感じてもらえないのではないか・・・と思います。

 

 「将来像を実現する意欲」、それこそが「モチベーション」なんだと思います。経営者のモチベーションをあげるのは決して容易な事ではありませんが、その一助になれることを常に考えながら仕事に励みたいと思います。